第16話 やつ、襲来。(書き手:オヨメ)
オヨメです。
やつが出ました。
そう、G!
まさかのオットさんが4日間出張で家を空けている時に出ました。
室内でのエンカウントは初めてです。
しかも朝一番。
一気に目が覚めた。
戸惑いしかない。でかい。
やたらでかい。
ああ、あの落し物(有り体に言うとフン)は、やはりお前だったのか。
落し物を見かけたときに、予め、結界(コンバット)を張っておいたのですが、その近くにやつはいました。
結界を食べたのか?
だとしたら、なぜそんなに生き生きと黒光っている?
動くかな?
近づいてみる。
動いた!
俊敏な動き!
結界意味なし!!
そういえば結界は遅効性だった!!!
オットさんが帰ってくるのは3日後…
頭の中を巡る様々な作戦。
お湯?いや沸かしてたら逃げられる。
叩く?いや潰れるのは無理だ。
冷凍スプレー?これだ!
いざ噴射!!!
全く効かぬぁーい!
でかすぎて凍らぬぁーい!
しかも噴射の勢いで冷蔵庫裏へ逃げた!
なんてこった抹茶に紅茶!
この後、何度か冷蔵庫裏に向かってスプレーを噴射したのですが、全く効果なく、やつは完全に沈黙したのでした。
次の作戦が何も浮かばない私は、できるだけ侵入経路(洗面所や風呂場の栓)を塞いで、泣く泣く会社へ向かったのでした。
そして、夜。
家に帰る勇気がまったく湧かぬぁーい!
あらゆる駆除方法を検索したけれど、
それ以前に部屋でやつと2人きりで一晩戦いぬけるのか?
そもそも一晩で終わるのか?
冷蔵庫裏から出て行ったかもしれない。
家のどこかにひっそり潜んで、突然出てくるかもしれない。
結界が効いてノロノロ動き回っているかもしれない。
いや、全く効かずにシャカシャカうろついているかもしれない。
死んだやつに思わぬ場所で遭遇するかもしれない。
卵を産んで増えてるかもしれない。
……働くな想像力!
ポジティブな方に考えよう!
そう!やつらは借りぐらしのゴキエッティ!
時々、私たちの食べ物や飲み物を借りにくるの!?
見た目が怖すぎてポジティブシンキングが続かない!
そんなこんなで、私はオットさんが帰ってくるまでの間、実家へ避難したのでした。
笑われました。
ぬーん。
これは精神衛生を保つための戦略的撤退というやつなのです。
笑わば笑え〜〜
でも、以前Gと遭遇して母が帰ってくるまでの30分間、机の上で微動だにしなかった経験のある妹だけはわかってくれた。
オットさん早く帰ってきて〜〜
ゴキエッティとの戦いの顛末はまた次回…。
おしまい。